家具業界では「組立家具」のことを「ノックダウン」と呼びます。
「ノックダウン生産」「ノックダウン式キット(家具)」も同じです。
由来はお察しの通り「ボクシング」のノックダウンから付けられました。
「ノックダウン」=「打ち壊す」=「分解」=「組み立て」と言い表しが変化したそうです。
「組立家具」は、完成品家具と違って組み立てる手間が必要になりますが、そのデメリットを上回る沢山のメリットがあると思います。
特に、これから一人暮らしを予定する学生や社会人の方には、面倒でも「組立家具」をお勧めいたします。
組立家具のメリット
送料が安い
本体価格と同様に、ネット通販では「完成品」に比べて送料も安いです。
例えば、本棚(幅80cm 奥行29cm 高さ150cm)完成品を注文した場合の送料は?
大阪から東京まで約8,500円です。
しかし、組立家具なら梱包サイズが小さくなるので、送料は高くても4,500円程度に収まります。
もちろん、ネット通販だけに限らず、家具店舗で配送をお願いしても、完成品より安く受けてもらえると思います。
引越しの時に移動しやすい
「完成品」の方が「重たい」です。
全てに該当するとは言えませんが、組立品に比べると底板や背面に補強材が施され、その割合も多いと感じます。
その理由として、完成品家具を輸送する際に、振動などの衝撃でパーツが破損したり、外れたりしないよう頑丈に作られていると以前メーカーさんに聞いたことがあります。
その点、組立品家具は梱包材の中にピッタリ納められ、棚板や付属品も外されているので破損リスクが無いに等しいのです。
解体しやすい
不要になった時は、組み立てた順を逆に辿れば簡単に解体することができます。
ダボ穴に接着剤を使用した時も、100均で売られている木工用ノコギリなどで接着部分をカットすれば、簡単に外すことができます。
プリントシートが貼られた完成品家具は、接合箇所が分からないため、どこをカットしていいのか分からずハンマーで叩き壊す人もいるみたいです。
無料で処分できる
東京都新宿区で本棚(横幅80cm 高さ150cm)完成品を、そのまま粗大ゴミに出せば1200円(R5年7月時点)が必要になります。
しかし、頑張って全てのパーツを30cm以内にカットしてしまえば、町内のゴミ集配に「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」等として捨てることが可能です。
家具本体の主材に合板や集成材が使われていると、ノコギリで解体するのは時間が掛かるかも知れませんが、繊維板やMDF、パーティクルボードは比較的ラクにカットできると思います。
中古販売は人気
年配の方は難しいかもしれませんが、本棚やテーブルは「メルカリ」でも売れています。
ただ、先に書いた通りに「購入者への発送」には送料が必要となるため、組立家具を解体して「購入した時の姿」に戻すことで、次の購入者へ安い手段でお届けすることができます。
メルカリで家具を購入する人の中には、リメイクを目的として理想のサイズを探している人も多くいるので、多少のキズがあったとしても赤字にならない程度に価格を下げればリサイクルも可能です。
生涯をココで暮らすと決めた「安住の地」であれば、大型家具や完成品家具を購入しても、後々困ることは少ないかもしれませんが、一人暮らしをする方には「それ程の家具」は必要ないですよね!
たとえ安価な買い物でも、数年後に手放す時のことまで考えて探してくださいね。